動物は言葉で体調を伝えることができません。わずかな違和感なら本能的にそれを隠そうとします。本来捕食される側にある動物(ウサギ、小鳥、ハムスター)ほどその傾向が強く、飼主さんが気付いた時には相当病態が悪化しているか、手遅れになっている場合があります。爪が伸びたから切ってほしい、耳が汚れてきたから掃除してほしい、肛門腺絞りをしてほしいなど、ちょっとした理由で来院していただくことが病気の早期発見になることがあります。動物病院は病気になる前にも、普段から気楽に行くところでもあります。 |
犬糸状虫症 |
平成21年5月26日 犬糸状虫症はフィラリア症と言った方が分かりやすいと思いますが、主に犬で問題になることが多く、この時期ぐらいから11〜12月まで毎月予防薬を飲ませます。毎月しっかりと投与すればほぼ100%予防可能な蚊が媒介する寄生虫感染症です。 この犬糸状虫症は猫にも感染します。 猫の犬糸状虫症は、喘息様の症状がみられますが、診断が難しいため予防に重点が置かれます。 猫が突然咳をするようになった、突然亡くなったなど、犬糸状虫が原因になっていることも考えられます。 予防としてスポットタイプのお薬を毎月一回投与するだけです。これは同時にノミ予防も行えます。 犬も猫も家の中でしか生活していなくても感染は起こりますので、ぜひ予防薬を投与してあげてください。 |
セキセイインコの発情抑制 |
平成21年1月14日 |
|
【発情を抑制する方法】 @繁殖の予定がないなら同じケージに♂を入れない。または♂の姿や鳴き声のする所に雌のケージを置かない。 A雌の背中をさすらない(交尾と同じ刺激になる)。 B高栄養のエサ(カナリ―シードや麻の実など)を与えない C夜遅くまで電気が点いていたり、音がする部屋にケージを置かない。昼間が長い季節と同じになってしまいます。 D必要以上に可愛がらない。雌のインコは飼い主をの発情相手としてしまうことがあります。 E気温のによる季節感を感じられるように、冬には過保護にせず、寒さにも耐えうる体力をつけることも大事です。 F巣や巣材、または巣と思われるようになるものをケージ内に入れない。部屋に放した時も衣類やカーテン、ごみ箱などに潜らないようにする。 G人になれた鳥の場合、飼育環境に対して、外敵のストレスを感じないため、発情しやすくなる。ケージや置き場所を周期的に変えてみる。 おうちのインコが年中卵を産んでいる場合は、以上の方法で発情をさせないようにする必要があるかもしれません。 |
うさぎさんの口腔チェックと爪切り |
平成21年1月8日 |
来院されたうさぎさんの爪を見ると、かなり伸びている子が多くみられます。中には、自宅で後ろ足は切れるけど、前足は嫌がってできないなどの話を聞くことがあります。家の中で生活しているうさぎさんは爪をすり減らすような環境にいないため、知らず知らず爪が伸びてしまうのは仕方ありません。いつの間にか伸びていた爪は、あるときケージのスノコやじゅうたんにひっかけてしまい、爪の根元から折れてしまい出血、なんてこともよくあることです。爪切りを嫌がるうさぎさんは、自宅で切るのは難しいでしょう。どうにか切れてもしばらくは警戒して、近寄って来なくなってしうかもしれません。無理に抑えることは、うさぎさんにしてみれば精神的な負担と骨折(体の構造上、骨が弱い)の原因にもなります。 うさぎさんの歯を見たことはありますか。おそらく切歯(前歯)ならチラッと見たことがあるのではないでしょうか。お口の奥にある臼歯は家庭では見ることはできないと思いますが、切歯も含めて臼歯の伸び具合は定期的に要チェックです。 口腔内のチェックならば、うさぎさんに負担をかけることなく実施することができます(もちろん無麻酔です)。「よくある病気」のページの不正咬合にも紹介していますが、食生活は歯の伸び方に影響しますので、毎日しっかり牧草(チモシー)を与えましょう。 爪切りや口腔内チェックはうさぎさんにとっては大変重要な処置や検査になりますので、定期的な病院でのチェックをおすすめします。… |
わん・にゃんドック |
平成21年1月8日 |
ワンちゃん、猫ちゃんは下記のヘルスケアの欄にも記載があるように7歳(大型犬は5歳)を過ぎ
ると様々な老齢疾患が発生してきます。 ただ、隠れたまま進行することが多く、言葉で体調を訴えることができないため、かなり悪化してい たり手遅れ状態になってから来院されることがしばしばあります。 早期発見のためにも日ごろのヘルスケアと健康診断が必要です。 当院では健康診断としてわん・にゃんドックを実施しております。 お申込みは事前にご予約が必要です。 【内容】 @触診・視診・聴診など五感を使った診察 A血液検査のうち白血球数、赤血球数、血小板数や生化学検査(肝機能、腎機能など) Bレントゲン検査(胸部、腹部) Cエコー検査(心臓、腹部) D尿検査E糞便検査 検査の前に質問や具体的なお話を聞きたい方はお気軽にご相談ください。 |
ヘルスケア |
平成21年1月8日 |
【0〜1歳】 @健康診断、先天性の病気の発見 Aこの時期に適した食餌を与える(肥満と栄養不良について認識する)子犬をペットショップから購入すると、食餌回数は1日2回と言われることが多いが、間違いです。生後3カ月までは1日に3〜5回位に分けて与えましょう。1日量を小分けに何回も与えるのが原則です。チワワやトイプードルなど小型犬ほど低血糖で倒れることがあります。 B混合ワクチンの接種 犬:生後8週、11〜12週の2回、場合によっては16〜17週の3回目も接種。 猫:生後8週、12週の2回 C狂犬病ワクチンの接種(犬のみ)生後91日目から接種と登録が義務づけられています。 D社会化(犬) ワクチン接種と同じく重要!生後4週〜16週に行う。 E歯磨トレーニング早い時期に歯磨きに慣らしましょう。小型犬種に多くみられる、乳歯が抜けずに残ってしまう乳歯遺残の発見にもつながります。 F2〜3回の糞便検査による消化管寄生虫の発見と駆除 G外部寄生虫(ノミ、マダニなど)の駆除 H犬のフィラリア予防(場合によっては猫も) I猫のウイルス検査(主に猫白血病、猫エイズ) J避妊、去勢手術の早期の実施(特に女の子は1回目の発情前推奨) 【1〜7歳】 @年1〜2回の健康診断で病気の早期発見。同時に歯科検診も行い必要ならば歯科処置(多くの場合歯石の除去や乳歯遺残があれば抜歯) A年に1度のワクチン接種(混合ワクチン、狂犬病ワクチン) Bフィラリア予防 C糞便検査による消化管寄生虫の発見と駆除 D外部寄生虫(ノミ、マダニなど)の予防、駆除 【7歳以上(大型犬は5歳以上)】 老齢疾患(内臓疾患、歯科、関節や骨の異常)が発生しやすい年齢です。 @年2回の総合検診 身体検査、体重測定、歯科検査、眼科検査、寄生虫、血液検査(赤血球、白血球、血小板、肝機能、腎機能、内分泌疾患など)、X線検査、超音波検査など。 Aフィラリア予防 B年に1度のワクチン接種(混合ワクチン、狂犬病ワクチン) C外部寄生虫(ノミ、ダニなど)の予防、駆除 D食餌管理(肥満予防) |